南の島の市場猫2017盛夏2。
市場の名だたる愛猫家の中でも、リーダー的存在のカマボコ屋のおばあ。
見知って10年目になりますが、風貌のせいか未だに僕をお坊さんと
信じて疑わない、確たる信念をお持ちの香ばしい女性です。
大変純な性格で、嫌猫家への口撃は結構強烈。
SNSの活用を覚えたら、あの女性を遥かに凌駕する
火力を発揮されるだろうと、余計なおせっかいをつい焼きたくなる(笑)。
毎日0時頃に店を開け、朝9時頃まで営業。
店に灯がともるや、女神様の施しを求めて、クロ一族を中心に
わらわら集まった猫たちが、店の前で毎夜市場猫の最高会議を開催しています。
「店が移ることに一抹の寂しさはあるけれど、○×△!~@*+:\#%&
仕方ないさね~」
市場の再開発、移転に関しては、意外にさっぱりとしたもの。
まあ、話自体は30年以上前から繰り返し俎上に上がって来た事でもあり
実際、僕がここに通い始めた2008年からずっと
「来年には工事が始まる」
と言われ続けて来たのも事実です。
ウチナータイム、ってやつですかね。
あらゆる事が「よんな~よんな~」(ゆっくりゆっくり)の土地柄。
だからこそ、僕自身も話は聞いていながらも
着工はまだまだ先の話だろうと、勝手に油断し切っていました。
「仕方がない」。
これは、市場で働く方の大方の素直な感想ではないかと受け止めています。
そして、感傷的に成りながらも、一方で新しい市場誕生への期待も
言葉からは伺えました。
歴史を大切に、勿体無い、残して欲しいとは、やはり通りすがりの第三者の意見。
東京下町のケースも同様ですが、実際の生活者にとっては
再開発とは、生活レベルの向上を意味する、歓迎すべき
進化である事実を否定する資格は僕にはありません。
正直、寂しい限りですけどね。
ちなみに、おばあの「○×△!~@*+:\#%&」は
ウチナーグチ(方言)が聞き取れなかったからではなく
米軍機が上空を飛んでいたため、肝心の発言が
騒音でかき消されてしまった。
「何、今日でもう帰るの。さあ、持って行きなさい」
今回も、カマボコをたくさんお土産に貰って帰京した僕でした。
また来ますね、おばあ。