自由猫たちの館

東京下町、沖縄、台湾の猫たちを中心に。

南の島の市場猫2017盛夏3。

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突き当たりのパイロンの向こう側には、幅10mほどの川が流れており

かつてここには橋が掛かり、市場の向こう北側とこちら南側を結んでいました。

2年ほど前でしょうか、「危険、通行禁止」の札が立ち、そしてこのような状況に。

 

南側はまだ無事だとお知らせしてはおりますが

川に面していた、かつてのメイン通りは既に撤去され

建物は残るものの、シャッターが降りたままの店舗が増えています。

 

僕が調べたところでは、向こうに見えている新市場は来年8月竣工で

出来次第南側も移転、順次取り壊しが開始される筈でした。

ところが今回、各所でお聞きした処、今年9月には完成して

秋の終わりには転居~解体するとの、驚くべき情報が。

 

でも、ね。

ご覧の鉄筋丸出しの状況で、秋引越しには些か無理があるのでは…。

何人かのおじいおばあに、遠慮しいしい少し突っ込んで聞いたのですが

結局要領は得られないのでした~。

 

「猫はもちろん連れて行くさ~。でもね、触らせてもらえない子をどうするか。

○×△!~@*+:\#%& だからね~」

とは、果物屋のアンマー(お姐さん)。

ピカピカのビルタイプの食品市場に、猫の寝床が許されるのか。

アンマーの無邪気な口調に心はザワザワ波打つのですが、肝心な部分は

今度は空自F-15戦闘機の訓練飛行の爆音にかき消されてしまった。 

 

本当の筋書きは、どうやら誰も把握していない…。

南の島の市場を舞台にしたドラマは、官と民と猫のコンセンサスが曖昧なまま

予想不可能なクライマックスに突入していく模様です。

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南の島の市場猫2017盛夏2。

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市場の名だたる愛猫家の中でも、リーダー的存在のカマボコ屋のおばあ。

見知って10年目になりますが、風貌のせいか未だに僕をお坊さんと

信じて疑わない、確たる信念をお持ちの香ばしい女性です。

 

大変純な性格で、嫌猫家への口撃は結構強烈。

SNSの活用を覚えたら、あの女性を遥かに凌駕する

火力を発揮されるだろうと、余計なおせっかいをつい焼きたくなる(笑)。

 

毎日0時頃に店を開け、朝9時頃まで営業。

店に灯がともるや、女神様の施しを求めて、クロ一族を中心に

わらわら集まった猫たちが、店の前で毎夜市場猫の最高会議を開催しています。

 

「店が移ることに一抹の寂しさはあるけれど、○×△!~@*+:\#%&

仕方ないさね~」

市場の再開発、移転に関しては、意外にさっぱりとしたもの。

まあ、話自体は30年以上前から繰り返し俎上に上がって来た事でもあり

実際、僕がここに通い始めた2008年からずっと

「来年には工事が始まる」

と言われ続けて来たのも事実です。

 

ウチナータイム、ってやつですかね。

あらゆる事が「よんな~よんな~」(ゆっくりゆっくり)の土地柄。

だからこそ、僕自身も話は聞いていながらも

着工はまだまだ先の話だろうと、勝手に油断し切っていました。

 

「仕方がない」。

これは、市場で働く方の大方の素直な感想ではないかと受け止めています。

そして、感傷的に成りながらも、一方で新しい市場誕生への期待も

言葉からは伺えました。

 

歴史を大切に、勿体無い、残して欲しいとは、やはり通りすがりの第三者の意見。

東京下町のケースも同様ですが、実際の生活者にとっては

再開発とは、生活レベルの向上を意味する、歓迎すべき

進化である事実を否定する資格は僕にはありません。

正直、寂しい限りですけどね。

 

ちなみに、おばあの「○×△!~@*+:\#%&」は

ウチナーグチ(方言)が聞き取れなかったからではなく

米軍機が上空を飛んでいたため、肝心の発言が

騒音でかき消されてしまった。

 

「何、今日でもう帰るの。さあ、持って行きなさい」

今回も、カマボコをたくさんお土産に貰って帰京した僕でした。

また来ますね、おばあ。

 

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南の島の市場猫2017盛夏。

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GW明け以来、2ヶ月ぶりに「南の島の市場猫」に会いに行って参りました。

昭和28年築の青物公設市場ですが、再開発の着工が去年始まり

川を挟んだ北半分は既に整理され、3階建ての新市場の建設が進んでいます。

 

残された南側はまだまだ健在と信じ込みたいものの、僅か2ヶ月の間にも

市場は微妙に疲労感を増しているようにも見受けられ

何となく活力を欠いた印象に、心穏やかならぬ2泊3日となりました。

あれ、前回来た時には、この場所には店があったような…。

 

もっとも、市場を代表する愛猫家の面々である

カマボコ屋のおばあ、果物屋のアンマー、総菜屋のおじいらは

相変わらずの絶好調、子猫たちの姿もちらほら増え

元気なく見えるのは、ただただ杞憂と自分に言い聞かせながらの

撮影行となった次第です。

 

それにしても暑さにやられました。

気温は東京と変わらないものの、日差しの強さはやはり南国特有!

はっきり言って軽い日射病に罹りました。

台湾駐在経験者の癖に、何と言う油断。

 

尋常ならざる発汗量で、帽子もタオルもTシャツもぐっしょり。

2時間撮影して、宿に逃げ帰って2時間仮眠。

その繰り返しでしか、体力がもちません。

ローアングルから立ち上がった瞬間、何度も立ちくらみました。

 

水よりも、甘い飲料を身体が求めます。

嗚呼、左党にあるまじき情けなさ!

バヤリースのオレンジ、マンゴー、シークワーサー味を全制覇。

気のせいか、足の親指の付け根が、持病を訴え始めたような…。

 

今日の1枚は、昼下がり、店仕舞い直前のまったりした時間に。

お疲れ様のおばあ、もやしのヒゲ取りに勤しむアンマーたち。

そして、手持ち無沙汰にパトロールに励む猫小(まやぐゎー)の図。

 

猫と人間との距離が近い近い。

決して構わない、しかし視界にはお互いきちんと入っている。

いいなあ~。

 

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私信、南の島へ。

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明日から土曜日まで、南の島にちょっくら行って参ります。

何故かって? だって暇なんだもん(笑)。 いやいや真面目な旅なのです。

 

南国と言っても、僕の旅は青い空、白い砂、碧い海とは無縁です。

2泊3日、ひたすらとある庶民市場に張り付き

猫と人と市場が織り成す光景を、淡々と撮り続けます。

 

その市場は、戦後の風情を今に残す、南の島でも稀有な歴史の生き証人。

深夜から早朝にかけ営業される、庶民に開放された公設青物市場です。

値札の無い対面商売が今も続き、どちらもしっかりお歳を召された

売り手とお客のおじいおばあたちが繰り広げる、丁々発止のやり取りは

この市場の貴重な風物になっています。

ウチナーグチで交わされるので、僕にはサッパリ内容が聞き取れませんが(笑)。

 

もっとも、開設60有余年を経て、さすがに木造家屋は疲れ果て

大型台風にでも見舞われたら、本当に危ないんじゃないかと

のんきな観光客の僕でも心配になる頼り無さだけに

いよいよ再開発着工のやむなきに至りました。

再開発自体は30年以上も前から計画され、反対する市場民と行政が

相対する事態が発生した時代もありましたが、事ここに至っては

両者ともにタイムリミットなのでしょう。

 

現在、川を挟んだ市場の北側は更地に帰され、ビル型の新市場建設の槌音が

来年夏の完成を目標に、日々かまびすしく響いています。

完成と同時に、現在残っている南側の方々も新市場に移り

この風景はすべて取り壊され、南の島の市場は

便利で、衛生的で、何より安全な新時代を迎える事になります。

 

この市場に、多くの猫たちが、人に寄り添い暮らしています。

まあ結構な数の猫たちが、人たちに混じって我が物顔で市場内を闊歩しておる。

この光景は、昭和30年代に幼き僕が目にしていた、東京下町の生活風景そのもの。

野良犬、野良猫、こうもりや時々蛇たちと、町と日常生活を共有していた

あの時代の光景が、2017年の今、ドラマのように僕の目の前で繰り広げられています。

 

お魚を咥えて逃げる野良猫を追いかける主婦の姿を、町中の人間が

微笑ましく見つめていた、そんな時代の記憶が今も残る南国の市場。

愛猫家と嫌猫家との葛藤も、もちろんそれなりにありますが

人間本位ではなく、生きとし生けるものに対するリスペクトが、今も健在。

心に余裕のある人々が集うと、こんな町が出来上がるのかも。

僕がここに通い始めたのは2008年からですが

まもなく初老域に入る僕のノスタルジーを、かきたててやまない場所なのです。

 

新しい市場に猫のベッドは用意されていません。

この光景はまもなく夢のまた夢の情景として

限られた人々の記憶にのみアーカイブされ、その人生とともに

歴史から姿を消す事でしょう。

猫たちの安寧な行く末を願ってやみません。

残された時間は、あと1年。

 

閑話休題

この問題、東京の下町が置かれているケースに本当に酷似しています。

今、下町に多く残る「木造住宅密集地域」の再開発が、猛スピードで進捗し

東京の路地からも、僕にとってかけがえの無いシーンが消えようとしています。

 

東京都が推進する「木造住宅密集地域整備事業」は

今年平成29年度~32年度の事業完遂を目標に、都内19区50箇所を対象に鋭意実施中で

まるでオリンピック開催に歩調を合わせたかのように

便利で、衛生的で、そして何より安全な東京の街づくりが進められています。

 

南の島のみならず、自分が住む東京でも、残り時間が少なくなって来たようです。

いやいや、僕自身の人生時計も、夜9時を優にまわってしまった。

猫が姿を消すのが先か、自分がくたばる方が先か。

時代の記憶と自分がここに生きた痕跡を、一枚でも多く残したい。

もう、強迫観念に駆られるかのように、南の島や東京下町に通う僕なのです。

 

おかげ様で、有意義な終活テーマが一つ見つかりました(笑)。

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私信、6代目デジ1は終身カメラ。

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久しくご無沙汰していた、非記名書き込みサイトの閲覧ですが

買う気満々なればこそ、EOS-6D2の本音情報を求めて

今回はいくつかをチェックしています。

相変わらず荒れていて、中々香ばしい(笑)。

まあ、現在はリアル世界の発言の方がよっぽど恐ろしいので

微笑みながら、欲しい情報だけを探し、罵詈讒謗は読み飛ばしております。

ほぼ自分がイメージしていた通りのカメラに仕上がった様子で、よしよし。

AFカバーエリアが、上位機種に比べて値段相応に狭かったのには、少々戸惑いましたが

初代6Dと同範囲なので、僕に不便はありません。

むしろタッチパネル撮影にトライする、いいきっかけになるかも。

Kiss-digital、20D、5D、7D、6Dに続く6代目のデジ1の座に、当確のバラの花。 

性能的にはもう最後の1台、とまで言い切ってしまったら流石にオーバーかしら。

高校入学記念に買って貰えることになった、AE-1購入前夜と同じ興奮状態なう。

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私信、カメラは招く。

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発表されました、キヤノンEOS-6Dmark2。

僕レベルでは文句なしの、想像以上に性能アップを果たしての登場です。

バリアングルをひらひらさせて、格子戸の向こうから僕を招いておるな。

もう、一目ぼれ、買う気満々(笑)。

お蔵に入っている7Dを断捨離して、初代との2台体勢にしようか。

でも少し予算オーバーだな。

そか、初代も手放して、古女房の5Dにもう少し頑張ってもらうか。

でもさすがに1200万画素はイマドキないか~。

週が明けたと言うのに、朝から仕事もせずに妄想にふける自分です。 

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私信、悩めるカメラ。

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キヤノンのEOS-6Dを、初代5Dに続き愛用しています。

少々鈍臭いのも愛嬌で、素晴らしい画質に満足。

この写真、暗い室内での設定を直し忘れて、そのまま外で 撮った一枚。

ISO3200、F20、4000分の一秒(笑)。

素人丸出しの失敗も、すっかり救って下さいました。

一生こいつと添い遂げようか、そう思っていたのですが

なんとも悩ましく信憑性が高いらしい、噂が耳に入りました。 

マーク2近日発売ですって。しかも、結構リーズナブルだとか。

高感度、連写速度、AF性能、いずれも飛躍的に進歩を遂げた模様でして。

特に、連写枚数が大幅にアップしたという事は

バッファ容量も増えているはずで、6Dでしばしば陥る

バッファフルで、ここぞの瞬間にシャッターが切れない!

イライラから解放されるかと思うと、ゆらゆら心が揺れるわけです。

35mm単焦点レンズをマップカメラで買おうと思っていたのですが

ここはいくつか機材を断捨離し、ターゲットを変更するか。

女房とカメラは新しい方が良いらしいし…。

って、さっきまでの夫婦愛はどこに消えたのか~。

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「デジタルカメラマガジン」猫写真特集号に。

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6月20日発売の雑誌「デジタルカメラマガジン」は、「猫写真」特集号。

猫写真に関わらず一家言ある、展覧会やブログで有名な写真家の方々が

猫撮影のテクニックや秘伝のレタッチ技術を開陳下さるありがたい企画です。

どうやら20人ほどの猫写真家が登場されるらしいのですが

編集さん、何を勘違いなされたのか、僕にも何か書けと号令一下。

どうやら企画にバラエティを持たせるべく、僕のテーマである「下町と猫」が

まあ分かりやすかったのでしょう、目に留まって頂けた様なのです。

で、「下町の猫の暮らしにスポットを当てる」がお題となった次第です。

いや、テーマが分かりやすいとは、やはり力なのかもしれませんね。

素人が技術的な云々を開陳できるはずもなし、なのですが

一所懸命テキストを書く中で、僕自身も少し写真とは何か、なんて事を

ふと真面目に考えたり、書き直された原稿に思わず膝を打ったり。

恥ずかしい事この上ありませんが、達人たちの記事と並べられて

自分の記事を反芻する事は、僕にとってかけがえの無い勉強に成ると思います。

汗顔の至りですが、宜しければお手に!

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聖地にて。

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通い始めて7年になる聖地の一つ箇所。

毎年入れ代わり立ち代り、新顔と出会います。

先日初めてご主人に挨拶が叶いました。

いろいろ話してみたい、そして撮らせて頂きたいものです。

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路地に輝く。

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僕は下町風情⇔猫の間を行ったり来たりしながら

下町猫景色を撮っているわけですが

この時はちょっぴり猫に針が傾いたようです。

この傾向は16~35mmの使用画角にも合致している気がします。

35mmにて撮影。

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下町の点睛2。

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目を付けて置いたスポットに猫がいてくれた幸せたるや。

この場所、この季節、この時間、この光加減、そして猫。

場数を踏んだものに与えられるご褒美のようなものですね。

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通せん坊。

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気弱な白猫の行く手を遮る、堂々たる体躯の雉ボス。

見え難いかもしれませんが、猫います(笑)。

街があるから猫がいる。

その二つを一枚に収めたい。

16~35mmは、手放せないレンズになりました。

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